若かりし頃、お茶の水にベースを購入しに行った。友人が、中古がいい!ビンテージ感があって、という不明なアドバイスをしてくれその気になって中古の店にGOした。駅からずらりと並ぶ楽器店のほんの最初のほう。あまり楽器の知識がなかったので、もうフィーリングでいこうかということで、普通のベースより短くやたら年季の入ったベースを購入した。

もじったKというロゴが入っていたが、当時で7万円くらいした。よくわからないメーカーだったのだが、店員がかなりすすめてきたのもあり、もう他見るのめんどくさいというのもあり、決断した。結果的に誰ももっていないベースという意味では、自己を満足させてくれた。

もじったKというロゴが入っていたが、当時で7万円くらいした。よくわからないメーカーだったのだが、店員がかなりすすめてきたのもあり、もう他見るのめんどくさいというのもあり、決断した。結果的に誰ももっていないベースという意味では、自己を満足させてくれた。

しかし、ベースに必要なパワフルさがまったくないベースであった。
その後、社会人になって友人と組んだバンドで、ベースボーカルをつとめた。ベースを弾きながらボーカルである。超大変だったが、このパワフルさがないベースをお供にバンド活動にいそしんだものだ。約5年ほど酷使したが、特に壊れることもなく、現在も家に置いてある。
思えば、このベースの一番のメリットは「軽い」ということであった。小ぶりだからか、めっちゃ軽かった。ショートスケールで軽い、旅のお供のようなベース。
最近になって、突然いやあれ、結局なんてメーカーのベースだろうか?と気になり始めた。Kで検索しても出てこない。画像検索してもナッシング。型番なんてないもんね。こりゃお手上げだな、と思っていた時ふと記憶がよみがえった。
カイだかケイだかって誰かが言っていた気がして、その方向から探すこと30分とうとう探り当てた。どうやらこいつは、「VINTAGE1965 Kay hollow body エレクトリックベースギター」という名前らしい。メーカーは、Kayである。1965生まれだそうだ。
そうなると気になるのが、お値段だ。ここまで苦労したということは、レアってことだ。値段相場を見てみると…800$だそう。8万ちょっとかな。1万円の利益か…。そうかレアものであろうが、需要がないと値段はこんなものなのね。
さすがに、思い出がいっぱいだからこのベースは売らないのだけど、20年ごしにその正体がわかって少し感慨深い!