最近の自分と来たら、とっても健康に気を使っている。
職場で手に入れたオリーブオイルをスプーン2杯くらい毎日飲んでいる。百歳を超えて現役医師だった日野原重明さんを真似てのことである。そればかりか、昼食には生野菜を頬張る。週に二回はジョギングもしてしまうし、寝るのは11時前である。

自分ばかりではない。友人も似たようなものだ。
ここ数年は、やれルイボスティーがいいだ、プロテインを飲んでいるだ、ハーフマラソンにエントリーしただ、と集まれば健康の話ばかりだ。おっさん同士の話だとすると、ちょいと気持ち悪い。

だが、理由は明快である。結婚して子供ができて生に対して欲深くなったからであろう。もっと、生きていたい、子供の成長を見届けたいという思いがふつふつと湧いているのだ。

若いころはこんなことはない。
煙草は一日2箱。酒も毎日飲んで、深夜まで起きる。野菜果物なんか、いつとったかなぁ?などとにやけていた。不健康がなんだかカッコいいと思っていたのである。格好良く言えば刹那的に生きていたのだろう。そう考えると、人間は環境によってかくも変わるのであるかと思う。

しかし、最近の自分を考えると、健康も逆に病なんじゃないか?とも思ってしまう。
いまや砂糖は使わず、蜂蜜で甘味をとっているし、トマトジュースにオリーブオイルを混ぜて、ダブル効果を狙ったりしている。適度な健康はいい。しかし、気にしすぎると逆に病になるのではないだろうか。コストもかかるし。

人間は一筋縄ではいかない。やたら健康的な人が突如ガンになったりもする。ガンが生活習慣病とするなら、理不尽である。きっと今、不治の病にかかったらこう思うだろう。あんなに健康に気を使ったのになんだこの有様は!と。そして、次の瞬間から煙草や酒をたしなみまくる。死期を大幅に早めることだろう。

結局、適度に健康に気を付けつつ、不健康もとりいれていったほうが人間としてはバランスが良いのかもしれない。人間はいつかは死ぬんだし、その理由だって理不尽なことも多いからね。