R太のざっくり雑記

40代おじさんです。ベトナム出張がブログの書き始め。現在は、育児や料理、英語など興味のあることをざっくり備忘録として記してます。質はともあれ、なるべく頻繁に更新します!

夏の読書

暑くてたまらないが、趣味が読書なので夜中寝る前とか電車の通勤中とかに相変わらずせこせこと読書をしている。最近のお気に入りはなんといっても、「犬」の小説である。

馳星周の「ソウルメイト」が良かった。
短編で、それぞれ主人公となる犬がいるのだが、最初のタイトルにその犬の絵が出てくる。ゴールデンレトリバーなどは有名なのだが、それ以外でもなんとかテリアとかロシアの犬とか(忘れた)。この時点で、グーグルでその犬種の画像を調べて、読み始める。すると、入り込み方が若干増す。

まさか自分が犬を飼って、犬の小説に感動しているなど3年前には思いもしなかったが、これも人生である。犬小説というジャンルがあるのかは知らないが、このソウルメイトの続編があるらしく、今から読むのが楽しみである。
ソウルメイト (集英社文庫)
馳 星周
集英社
2015-09-18


あとは、夏といえば恐怖小説である。

最近は、臨場感のある作りのホラー小説が増えたようである。その著者自身が巻き込まれたり、怪談収集の過程でいろいろな事実が判明したりなど。フィクションとノンフィクションが混ざり合った構成とでもいうのだろうか。

なんだかんだ、俺のホラー小説の原点は「リング」である。あれは、まじで怖かった。活字でこんなに人を怖がらせられるのか…とある種感動した記憶がある。なんだかんだ、リングと黒い家がホラー小説のベストかなぁいまのところ。

今読んでいるのは、芹沢央の「火のないところに煙は」という小説。


これも、現実と混ざり合ったなかなかの不気味さ。人間の世界は、そこかしこで毎日人が死んでいるが、そのいくつかはこういった怪異が絡んでるのでは?と思わせる。

まだ夏は盛りなので、ホラー小説4冊くらいはいっときたい。

荻窪の野方ホープと漫画喫茶

週一くらいで、息抜きのため漫画喫茶通いを続けている。映画とかバンド活動など他にもやりたい趣味はあるのだが、なんたって気楽だからね。漫画喫茶からのラーメン屋というのが定番コース。しかしながら、なかなか読み続けたい漫画に出会えていなかった。

東京リベンジャーズなども途中まで読んだが、なんだかもう一つ入り込めなくなった。中・高・大と少年マガジンを毎週買って愛読していたが、あれはその年代を刺激する漫画が多かったからであろう。少年を刺激するものに、中高年はもう一つハマれないのも仕方のないこと。

そう考えると鬼滅の刃はやっぱ凄いな…。見事にハマったし。

そんなこんなで、探していたのだが、とうとう見つけてしまった。
「マイホームヒーロー」である。娘を助けるために悪い彼氏を殺してしまう父親。そこから組織に狙われるのだが、ミステリー小説で培ったトリックで次から次へ煙にまいていくという…。漫画のようなストーリーである。あたりまえか。

これの頓智の利いたところは、主人公のさえない中年が、ながらくミステリー小説を投稿する作家志望のサラリーマンであるという点だろう。たしかに、ミステリー小説家はいかに話が破綻なく流せるかに重きをおくので、かなりトリックや犯罪関連の知識が豊富である。そして、その知識がさえない主人公に魔法を与えているのである。

6巻くらい読んだが、まったく飽きない。
きっと、娘がいるという自分の立場とも多少リンクするからだろう。漫画にしても小説にしても、その時々、自分の年齢や経験などで好みが変わる。今はこの手の少しヘビーで、家族愛の物語が好きなのだろう俺は。

毎週の満喫が楽しみになった今日この頃。そして、帰りは野方ホープにてラーメン。
IMG_7464
荻窪も中野同様いろいろなラーメン屋があるね。もっと探索してみよう。

2022年読書ランキング

今年は読んだ小説は32作。
それ以外はビジネス書とか読んだけど、一時は毎年60くらい小説を読んでいたので、随分ペースが落ちたな。
まぁ、そんななか今年読んでよかったベスト5である。
32作から5作って‥こんな少ない母数のランキングつけてるやついないんじゃないだろうか‥。

まずは、
1位
自転しながら公転する 山本文緒
こちら、著者が亡くなってしまったあとに読んだのだが、素晴らしかった。まだまだ、たくさんの小説を残してほしかったなあぁ。内容的には、どこにでもいる少し意志薄弱な女性が、大きく一歩踏み出す時に、同時に周りが公転していくダイナミズムがとても心地よかった一作。
自転しながら公転する
山本文緒
新潮社
2020-09-28


2位
極夜行  角幡 唯介
真っ暗闇の北極に、単独で探検する。そのヤバさがこれでもかと描写されている。前から気になっていたノンフィクション作家と著作であるが、とても面白かった。もうひとつ、この本ですごいなぁと思ったのは、ずばり犬である。ところどころで感じたのは、犬、つえぇという畏怖感である。

極夜行 (文春文庫)
角幡 唯介
文藝春秋
2021-10-06

3位
カリスマ訓練士の たった5分で犬はどんどん賢くなる  藤井 聡
上記で感じた犬つええという感覚をもちつつ、犬の糞尿大変だという感覚は普段の生活で感じている。昨年から飼い始めた愛犬であるが、しつけなどが大変である。とても育児をしながらできねぇ‥と弱音を吐きつつ、すがるように買った本書。いろいろと参考にしています。


4位
流浪の月 凪良 ゆう
こちらも以前から気になっていた作家さん。BL系の小説界隈で活躍したあと、本格的な小説界に凱旋。テーマや話の内容そのものより、ところどころででてくる表現というか、せりふ回しというか、そういったものにすっかりハマってしまった。物語にでてくるものは、特殊で異例の関係性である。または、性癖や感情であるが、その強弱はさておき、こういったものは誰の胸にも埋め込まれているなぁと確信してしまう。

流浪の月
凪良 ゆう
東京創元社
2019-08-29

5位
明日の食卓 椰月美智子
育児をしている親たちにもそれぞれグラデーションがある。子を持つ前は、気づかなかったのだが、やはり男女で子育てが大変なのは圧倒的に男児である。思春期や反抗期が早めにきてるのか?と思うことでなんとか対応しているのだが、ときにとてつもない怒りが駆け巡るときもある。その怒りが膨れ上がる描写が、とてもリアリティがあり恐ろしかった。
明日の食卓 (角川文庫)
椰月 美智子
KADOKAWA
2019-02-23



この5作であるが、犬のしつけ書以外は結構巷でも話題の本である。
やはり話題の本は面白いし、面白い本は売れるのだろう。
来年は40冊は読みたい!



白石一文の小説読んだ

「私という運命について」以来、白石一文のちょっとしたファンである。
なんだかんだで、ほぼ全部読んでいる。なんだか、読みやすいのである。マジックリアリズムというか、現実の出来事をうまくフィクションにとりいれつつ、それでいてちょっとスピリチュアルな部分もありで、とても好きである。今回読んだのは、自伝のようなものである。
君がいないと小説は書けない
一文, 白石
新潮社
2020-01-20


彼自身は作家の息子であったり、元・文芸春秋の敏腕記者であったり、直木賞受賞したりとなんというか一般人がみるとかなり羨ましい位置である。しかしながら、精神的な病気を長年抱えていたり、エライ人嫌いだったり、妻と子供と縁切りのようになっていたりして、とてもいい人生ではないと本人が言いきっている。

それでも、現在は美しい内縁の妻みたいのに恵まれたり、出版活動は頻繁だしとまぁそれでもいいじゃないのと言いたい感じである。
そんな、自分の人生を語っているのだが、その中で作家には若くしてなるもんじゃないというような文言があった。

小説が好きな自分としては若くして作家になんて羨ましいことこの上ない、と思う。
しかし、著書で、人生活動が未熟なまま小説家になどなってしまうとどういうことが起こるかということをなんとなく皮肉たっぷりに語っている。つまり、生きて起こることすべてが作家の題材になってしまうリスクである。

たしかに、何がおこったとしてもこれをネタに書いてしまおう!などと思っていたら、その事象自体に深みは生まれないだろう。それはつまり、自分の人生を神の視点というか第三者の書き手のような視点ですごすことに他ならないからである。

例えば、早朝スーパーのバイトで店長に怒られるとする。そのストレスを普通人ならどうするだろうか?そう、妄想の中で店長を裸にしてギタギタに鞭でひっぱたいて、怒りをリカバリーするのである(ほんとか?)。

しかし、作家の場合はこの事象を書いてやろうという視点がそもそもだから、この怒られて自分が悪いにもかかわらずイライラする怒りは生まれてこない。怒りを生み出さずにただ、その手前でものを書くことのなんたる未熟なことだろうか…。

わからないが、そういうことを白石一文はいっているのだろうとうなずけた。
老成すれば老成するほど物書きはいい。そんなことを勝手に解釈しながら、まだまだ俺も小説家としてデビューできる可能性があるのではないか??と自問した次第である。まったくその努力はいまのところしていないにも関わらずである。

2020年読書。私的 BEST3!

12月初旬なのだが、面倒なのでまとめてしまおう。
2020年に読んだ本の数は…。
37冊!!
昨年度が47冊だから、10冊落ちましたぁ。原因は明白。早朝バイトのせいである。もはや、本を読んでても眠くて眠くて…。

10年くらい前から読書記録をつけているが、2010年が87冊である。そのころは、結婚しているが子供がいなくて、自由時間が大量にあったのだ。よく本、とりわけ小説を読んでいた記憶がある。

年々落ちているが、まぁ、全然読まないよりもましである。

2020年に読んだ本で、3個自分的にBESTをあげておこう。
あくまで、今年読んだ本なので、2020年の新刊とかではない。中にはもちろんあるが。とりあえず、これしきの読書量だが、3点に絞るのが困難であった。読書の質はいいのではないだろうか。
しかも、「鬼滅の刃」は除外して、である。
では、以下。

3位 「三体」 劉 慈欣 
あちこちの本屋で見かけたこの本。いろいろな著名人が、帯で絶賛している。中国人作家の本など読んだことがないので、興味があったが、どうにも翻訳モノが苦手なので敬遠していた。
しかしながら、世界観がいままで読んだことのないスペクタクルであった。ネタバレであるが、テーマは、「宇宙に人の知能を超える生物がいたら…」、である。いつの時代もこのテーマで紡がれる傑作小説がある。しかし、VRという現代のテクノロジーをうまく使った本作は、間違いなく今の時代の宇宙人コンタクト小説であろう。
ちょっと、長すぎてやや中だるみしたところもあるが、そのユニークさは素晴らしかった。

三体
劉 慈欣
早川書房
2019-07-04


2位 「蜂蜜と遠雷」 恩田陸
これも、読みたいなぁと思いつつピアノ音楽の話だろ?映画にもなったけど、なんかなぁと敬遠していた。しかし、素晴らしい小説であった。
簡単に言えば、世界的なピアニストになるべく、コンクールでしのぎを削る若者たちの物語である。読書中、小説を読むという行為の不思議さを感じた。
読書とは、映像も音楽もなく静かなところ、または生活音がなるところ、また時には騒がしいところで活字を読むだけの行為である。周りからみれば、何を読んでいるかもわからない。しかし、読者の頭の中には素晴らしいピアノが鳴りわたり、人間ドラマに涙する。実際には何もないのに、読む者にこういった疑似「体験」をさせる。それが素晴らしい小説のだいご味であり、本作にはその要素がぎっしり詰まっていた。
蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)
恩田陸
幻冬舎
2019-04-10



1位 「赤ちゃんをわが子として育てる方を求む」 石井光太
実在にあった人物をモチーフにした小説。我が子ではないこどもを実子として迎え入れる制度が、特別養子縁組である。この制度、一朝一夕でできたわけではない。
この主人公の医師、菊田昇さんの存在あってのものらしい。特筆すべきは、この方のこの行動力の原点が、母親が営んでいた花街であることである。つまり、売春宿だ。そこで見てきた遊女の苦しみ、そして、姉のように親しくしていた遊女二人の最期。
生ぬるい正義がまったく通用しない世界で生きてきた強さと哀しみが、色濃く出る前半部分が壮絶であった。ちょっと長いタイトルは、法律で養子が認められていない時代、実際に菊田医師が新聞広告にだした広告のコピーである。これがゆえに、社会的に糾弾されるのであるが、彼の行動、そして周りの人間たちが素晴らしい。
信念をもち、それを隠さず行動することで、善人がその明りを頼りに集ってくる。その人間の美しさみたいなのがまた感動を誘う。
ノンフィクション作家で有名な石井光太であるが、小説家としても図抜けていた。知らない人物を知れたという意味で、1位に輝いた次第である。



しかしながら、昨年は、育児書、今年は人物伝。
なんだか、若干堅いものが一位にくる私的傾向があるなぁ。個人的には、万城目学の「鴨川ホルモー」みたいなばかばかしいのも大好きである。

来年はもう少し読めるといいかな。

アマゾンの本のレビュー

結構前から、読書した後に感想文を個人的に書いている。
★5段階で評価したりもして。これは、もう10年以上続いている。
きっかけはシンプルである。同じ本を二度買ってしまったり、借りてきてしまったりすることが続いたからである。しかも、途中まで読んで気づくという。

これなんか、知ってる話だな?と思ったら既読だったという。映画にしても、本にしても繰り返し読みたくないタイプである。お気に入りは何度も何度も読んだり、鑑賞したりする人がいる。だが、ああいうのは自分には正直わからない。

同じ読む機会があるのなら、未知のものを読んでみたいのである。人生は有限なので、より多くの未体験なものを体験したいということである、大げさに言うと。そんなこんなで、かぶらないようにつけ始めた書評。

最初は、エクセルで管理していたが、どうせならネットに公開してみたくなったので、「ブクログ」に登録した。しばらくは、このブクログを愛用していた。それから、おなじみamazonのレビューに移行、いまに至る。amazonレビューはいろいろ言われるが、本に関しては結構真面目にレビューしている人が多い印象。

なんだかんだ気になるのが、レビュアーランキングである。
「参考になった」という「いいね」的なのがあるのだが、その数が多いとランクがあがっていく。人間は、ほとほと評価されたい生き物である。徐々に上がっていくレビュアーランキングから目が離せない。

そして、先日ついに1000位以内に。1000位以内になると、トップ1000レビュアーという称号がネット上で表記される。それを眺めてご満悦だったが、3日後急落…。あっという間に称号はく奪。勝手に、一度トップレビュアーになったら、そう簡単には落ちないと思っていただけにショッキング。1000だけど。

しかし、こんな金にもならないことに熱くさせるamazonの手法たるや。ただの無料の口コミ宣伝を嬉々としてやっているようなもんだよ。評価されたい、役に立ちたいというちょっとした人間心理をうまくついたamazonレビュー。俺みたいなやつがいっぱいいるんだろうな。

山本周五郎の箴言が大好き

時代物小説はあまり読まない。
だが、山本周五郎は別だ。「さぶ」でハマって以来、事あるごとに読んでいる。
山本さんの良いところは、市井の貧しくも、気高い人々の姿を描くところ。

今やSNSが主流の現代。
いろいろな人が自由に表現できる時代である。
しかし、古い時代は貧しいものや弱き者たちは、権力者の影に隠れて見えてこなかった。
つまり、権力者が悪だと思った人間は、実際はどうあれ、後世には悪人と伝えられてしまうのだ。

思うに様々な創作物や歴史を語る声。それは、強きものが描いた世界であった。
そういった歴史の影に埋もれた人々を、うまくあぶり出すのが山本さんはうまい。
また、箴言が多いんだ。山本周五郎で一番好きな箴言がこちら。

「壮烈であろうとするよりも、弱さを恥じぬ時ほど人は強いものだ」
(樅ノ木は残った)より 

江戸時代の伊達騒動で従来は悪人とされてきた原田甲斐が、幾編かの逸話を語ったあと放ったこの言葉。
とても、しびれた。弱さを恥じない人間は、とても強い。こう生きたいと思う言葉である。


山本周五郎の小説に出てくる箴言はとても奥深い。

「人間生きているうちは、終わりということはないんだな」
(おさん)より

まぁ当たり前といえば当たり前だが、確かにそうだ。
死ぬまで人間には可能性があるということを言っている。いい言葉じゃないですか。

「悩みのみが正しい意味で人間を謙遜にする」
(周五郎 昭和25年のメモ)より

これも、シンプルでいて深い。
悩むことは、本来はストレスでしかない。できれば悩みは避けたい。
しかし、深く悩みきることこそ、人を人たらしめる。
悩んで出した答えが間違っていても、いい。
人の言うがままにやり失敗することで、人は謙遜になることはないのだ。

なにか山本文学の語録を抜き取るだけで、哲学者にでもなった気分である。
あくまで気分であるが…。 

小説を読むのが好きなわけを分析

いつくらいからか小説を読むのが好きになった。
といっても子供時代で覚えているのは、ズッコケ三人組シリーズくらい。
それ意外だと、同世代にはおなじみのアドベンチャーゲームブック。
これは、今もってすごい発明品であった。分岐点でどれを選ぶかで運命がかわる。
といっても、分岐点のところで指を挟んどいて、死んでしまう展開なら挟んでいた指のページに戻るというなんともいえないアナログのチートを使っていたのだが…。

子供時代に本を一生懸命読んだといえば、このズッコケとゲームブックくらい。

さほどの読書家ではなかった。
それがなぜか二十代後半くらいから小説が好きになり、結構読んできた。
思えばそのころは貧乏で、あまりエンタメにかけるお金がなかったからだろう。
一人暮らしをしていた近くの図書館で、小説を借りては読んでいた。
自分にとっては、寝転がって休日に小説を読むのは至福のときであった。
その感覚は、忙しくなった今も続いている。

しかしながら、どうして映画などよりも、小説が好きなんだろうか?と常々考えてきた。
小説なんて、音楽や映画みたいに誰かとその体験をタイムリーに共有できない。
もちろん、強引に一緒に読むことはできるだろうが、そんなことしている人いやしない。
かなり苦痛だろう。なんとなくであるが、

読書は孤独な作業であり、他のエンタメより時間がかかる。

ここにこそ、小説の良さがあるとみている。

人生の流れと似ているからである。
例えば、映画だって物語を映像にしているのだから、ある意味同じではないか?と思うのだが映画は長くて3時間ほどである。
3時間で完結する人生の物語など、現実にはない。

あくまでも自分の場合はであるが、小説を読み始めれば、完読まで1週間はかかる。
ときには、3日位のときもあるが、この長い時間軸の中で物語を読むというのが、とてもいいのである。

小説を読んでいる間にも、生活は続く。
現実の色々な出来事をこなしながら、また、小説の世界に入るという時間軸。
漫画もそうかも知れないが、漫画はなんていうか早いのよ展開が。
全体的には長いかもしれないけど、完結までは。

そう考えれば、純文学などというのが成立するのも小説だからであろう。
あんなのを漫画や映画でやると、かなり厳しいものになるだろう。
まぁ、やっているけど。

とにもかくにも、自分が小説が好きなのは、孤独に楽しめるところと時間軸が長いところであると分析した次第である。

遭難ドキュメンタリーはホラーであるが哲学書でもある

山と渓谷社のヤマケイ文庫よりドキュメントものを立て続けに読んでいる。

羽根田治のドキュメント「道迷い遭難」「生還」「人を襲うクマ」「滑落遭難」などである。
昔、沢木耕太郎の「凍」に心底ビビった自分としては、山の遭難ものが苦手である。
であるが、苦手ならばこそ、とっても気になる。

「凍」は著名なクライマーの山野井泰史さんがモデルでバリバリのプロである。
なので、やっぱりエベレストなどの強烈な山に登って、死にかけるということである。
まぁ、一般人には無縁な世界だ。

しかし、ドキュメントシリーズに出てくる人たちは、ただの山好きの会社員や学生である。
軽い気持ちで登って、とんでもない目にあう。
そんなエピソードの連発である。(死んじゃってる事例も結構多い)
日帰りの予定が、1週間死線をさまよったり、人によっては2週間もである。
この間ひたすら少ない食料や沢の水などで、命をつなぎ、最終的に救出される。

この救出のされかたが、はっきりいって、ただの強運なだけ。
それが怖い。
頑張ったから生き残ったとか、努力が報われたとかではなく、本当に偶然の重なりだけ。

捜索のヘリが何度も頭上を過ぎる、「ここだよぉ」と手を振るが華麗にスルーされ、絶望する登場人物たち。自分がこの状況になれば、すぐに生きることをギブアップしそうだ。

あと幻覚・幻聴のエピソードもやばかった。
「おおい、今行くよ!」と声をかけ用意をしている救助者が、なかなか近づいてこない。
よく目をこすると、長いササが揺れているだけ、とか。
葉っぱの擦れる音がささやき声にきこえるとかね。

「運命を分けたザイル」という外国映画が有る。
これも「凍」のようにプロの登山家が、九死に一生を得た物語である。
死ぬ寸前にたくさんの幻覚を見る。その中で、頭の中で音楽がリフレインする件がある。
それも、彼が大嫌いなバンドの曲だ。
決して、ザードの「負けないで」とかの励ましソングではない。

たとえば、雪山だけに遭難中に広瀬香美の「ロマンスの神様」のサビの部分が永遠リフレインされたらどうだろうか。
あの甲高い声で「ロマーンスの神様この人でしょうか?」が永遠リフレインされる中、意識がとぎれて死んでいく。
いや、この曲がとくに嫌いというわけではないが、キツすぎやしないか?
しかし、これがリアルな遭難の死なのかもしれない。と思ったら怖くなってきた!

それはいいとして、遭難は怖い。

しかし、死との向き合い方をみるにつけ、哲学書のような趣もある。
なにか、生き方を根底から変えるヒントがあるような気もした。
気のせいかもしれんが…。


2019年読書。私的BEST3!

2019年に読んだ本の数…ジャラジャラジャラー、ジャン。
47冊!!
いやぁ、地味な数字。趣味は読書だけど、主な読書場は電車の中。なので、遅読なんですな。
月に4冊ペース。
まぁ、全然読まない人もいるからいいほうじゃなかろうか。

ところで、2019年に良かった本を3個自分的にあげておこう。備忘録として。

3位 最後の医者は桜を見上げて君を想う 二宮敦人 
amazon primeの読み放題にあって、評価が高かったので読んでみた。
ラノベ調のものはまったく受け付けない自分である。
「君の膵臓を食べたい」なんて全然おもしろくなかったし。
そんなわけで、これもそのたぐいの医療者か…と油断していた。
末期の難病と死。そこに医療がどこまで関われるかがしっかり描かれていた。
エンタメ色濃く、それでいて社会性も高いとてもバランスが良い作品だった。
読んだものに、生と死の課題を投げかける良作。
偏見からのギャップと言う意味でインパクトがあった。


2位 幻夏 太田愛
なんといっても今年の収穫は、太田愛さんを発見したことだろう。
「幻夏」は、シリーズものの2作目であったが、立て続けに1作目の「犯罪者」、3作目の「天井の葦」と読んだが、どれも素晴らしかった。
「幻夏」の大きなテーマとしては冤罪である。
社会派のこのテーマはある意味、出し尽くされた感はある。
しかし、脚本家出の作者ならではの視覚にうったえる表現や飽きさせないエンターテイメント性で、常に物語にダイナミズムをもたせている。
メインキャラクター3人も個性があり素晴らしい。
こんなに隙がない小説は久しぶりに読んだ気がする。
幻夏 (角川文庫)
太田 愛
KADOKAWA
2017-08-25


1位 子供を信じること 田中茂樹
ここにきて、まさかの育児書である。
育児に関する本は、子育てに悩むたびに読んできたので結構な冊数読んでいるはずである。
最近は落ち着いてきてあまり読まなくなったが、また悩みどころがあり読んでみた。
蒙を啓かれる、という表現があるが、まさにそれである。
あえていえば、男児の育児に行き詰まっている親には是非読んでほしい。
「子供はどんなときも、上手くやりたいと思っている」。ここが印象的だった。
牛乳をひっくり返すとき、壁に落書きするとき、高いところから飛び降りるとき。子供は、うまくやりたいと願ってやっているのである。
それはモラルに反することであるが、そのモラルはあとから学ぶ。
まずは、子供が何をうまくやりたいと思って失敗したのかを、生暖かく見守ることが大事である。
後半に出てくる「アイス療法」の衝撃たるや…。実際にやってみたが、なかなかおもしろい発見があった。しかし、育児は大変である。
子どもを信じること
田中 茂樹
さいはて社
2019-04-10


というぐあいのBEST3。
どれも、良い読書体験であった。2020年はどんな本に出会えるか…、楽しみである。

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